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東京高等裁判所 昭和63年(行ケ)245号 判決

原告は、主文と同旨の判決を求め、別紙のとおり、請求の原因を述べ、被告は、請求の原因は認めると述べた。

請求の原因については当事者間に争いがなく、右事実によれば、本件審決の取消しを求める原告の本訴請求は理由があるからこれを認容する。

〔編注〕本件における別紙は左のとおりである。

一 特許庁における手続の経緯

原告は、商標登録第四九一六八七号商標(以下「本件商標」という。)の商標権者である。

被告は、昭和六二年一一月一九日、原告を被請求人として、本件商標の指定商品中「被服及帯芯類、帽子類、肌衣類」についてはその登録を取り消す旨の審判を請求したところ、特許庁は同請求を昭和六二年審判第二〇三九八号事件として審理し、昭和六三年九月一六日、「登録第四九一六八七号商標の指定商品中「被服及帯芯類、帽子類、肌衣類」についてはその登録は、取り消す。審判費用は、被請求人(原告)の負担とする。」との審決をし、その謄本は、同年一〇月二五日、原告に送達された。

二 本件審決の理由の要点

1 本件商標は、願書に添付された商標を表示した書面に示すとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりであつて、現に有効に存続しているものである。

2 請求人(被告)は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は商標法五〇条に該当するものであるからその登録は取り消されるべきであるとしている。

3 被請求人(原告)は、「本件審判の請求を却下する。審判費用は、請求人(被告)の負担とする。」との審決を求めると答弁し、本件審判を請求するについての利害関係について争い、本件商標譲受け以来継続して使用しているものであり、必要なればいつでも使用証明の提出用意があると述べている。

4 (一) まず請求人(被告)は、本件審判請求をするについての利益を有する者であるか否かについて判断するに、請求人(被告)の商標登録出願(商標昭六〇―九一七八)は、本件商標を引用した拒絶理由通知を受けており、本件商標が存続する限り、登録を受けることができないものであることは明らかである。したがつて、請求人(被告)は、本件審判請求をするについての利益を有する者といえる。

(二) そこで本案に入つて審理するに、商標法五〇条による商標登録の取消審判の請求があつたときは、同条二項の規定により、被請求人(原告)において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、また使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取り消しを免れない。

しかるに、被請求人(原告)は、前記3のとおり、本件審判請求の利害関係を争い、今日に至るも本件商標の使用を証明する何らの証左も示していない。

したがつて、本件商標の登録は、商標法五〇条の規定により指定商品中の「被服及帯芯類、帽子類、肌衣類」についての登録を取り消すべきものである。

三 本件審決を取り消すべき事由

原告は、本件審判の請求登録前三年以内に日本国内において本件商標を使用していた。すなわち、原告は、昭和五七年七月より、本件商標を使用した吊し札を付してその請求に係る指定商品であるスリツプをフクシ株式会社へ販売し、右商品は、昭和六二年までに二七、八四〇枚販売された。

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